祈りの歌 〜プロローグ〜
聞こえて、いるのかな。
この、歌。
あの日から、毎日、海に歌っているよ。
毎日、指笛……吹いてるよ。
もう、数え切れないほどに。
『シン』を倒して、大切な存在を守りたかったの。
笑顔を、生活を、守りたかったの。
けれど、『シン』を倒すと同時に、一番大切な存在は消えてしまった。
予感は……あったんだ。
祈り子様が、君に言った言葉。
「夢をみることをやめる」
嘘つくの、下手だね。
君は、何かを隠していたし、それが、良くない事なのはわかっていたから。
なんとなく、予感みたいなものは、感じていたよ。
また、逢えるよね?
君に……逢えるよね?
そうでないと、私、うまく笑えないよ。
だから、助けてって、毎日、君を呼ぶの。
指笛……上手くなったでしょう?
君が好きだった、『歌』を歌うの。
……ただひとり、君に、届くように、祈りを込めて。
(To Be Continued … 1)
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